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タイにはいろんなゲーン(日本語では一般的にカレーと訳される)がありますが、いろんな種類があるゆえ、
カレーっぽくないゲーンもある。ジャングルカレーと呼ばれるゲーンなんぞ、まさにそれ。
ゲーンパー(ジャングルカレー)_f0363883_03114947.jpg
ゲーンパーはココナツミルクを使いません。このゲーンが「森のカレー」と呼ばれる所以には「ココナツがとれない地方でも
作れるゲーン」ってことにあり、山岳地でもある北タイや東北タイなどでポピュラーなゲーンです。
山料理なので、野菜がいっぱい。肉にジビエが入ることもある。
ワイルドにジャングルカレーとの呼び名はぴったりかもしれないけど、私的には辛いスープに分類したい料理です。
だって、このゲーンをごはんにかけては食べたくない。ごはんと一緒に食べるはありだけど…。
この違い、理解していただけるかしら???

今日は体にいいものが食べたくて、ゲーンパーを作りました。
ゲーンパーの特徴はココナツミルクが入らないだけでなく、グラチャーイが利いているからです。
グラチャーイは「チャイニーズキー」のこと。中国でも雲南省南部でしか生産されない珍しい生姜で、
肉や魚の匂い消し、薬膳スープなどに利用されます。独特の香りと味がするので好き嫌いが分かれるところですが、
この薬膳くささが、私にはなんとも癒しの味になる。いかにも薬膳的な味が満足度をアップさせるってことですね(笑)。
家で作るゲーンパーには、もちろんジビエは入りません。でも、鶏肉は骨付きのまんま入れる。
ジャングルカレーだから鶏肉でもワイルドに。キノコやタケノコの代わりにジャガイモとズッキーニを入れてみる。
山のカレーだから、なんでもあり(笑)。でも、山のものだけにして、海のものはいれません。
そのくらいの定義は守ろりたい。だって、ちゃんとタイ伝統の味。

# by parisbkk | 2016-07-13 03:29 | タイ料理

エビ春巻き

本日はタイのエビ春巻き「ポピアトートクン」のお話。

在パリの日本人数名で、日系冷凍食品配送会社の共同購入をしたおり「エビ春巻き」を買ってみた。
久しぶりに日本の冷凍食品のエビ春巻きを食べ、ふと思ったこと。
「日本のエビ春巻きって、エビ1本まるごと、じゃないんですね???」
タイのエビ春巻きはエビがまる1匹入っていますが、日本のは小さく切ったエビ(小エビ?)と野菜がまぜこぜ。
それはそれで美味しいとは思うけど、エビまる1匹になれた身(舌)には細切れはなんとなく寂しい。
「エビ食べたぞ」という満足感はない。日本でエビまるごとは、エビフライだけなの???

タイのエビ春巻きは、生エビにパクチー、にんにく、ナムプラーで下味をつけ、春巻きの皮で巻いて揚げます。
特別に具を用意する必要がなく、子どもでも作れる簡単料理のうえ、エビのしっぽがひょっこりのぞいて、なんともキュート♪
レシピによっては、エビだけでなく豚ミンチも一緒にダブルで巻くエビ春巻きもありますが、
お肉を巻いてもエビ春巻きらしくスリムであるべく、お肉は少量しか入れません(1本につき、小さじ1くらい)。
豚肉を混ぜるのはジューシーな旨味をプラスするためで、エビだけの春巻きと比べると、食べ応えもありご馳走感が違います。
皮はサクサク、エビはぷりぷり、豚肉がしっとり。このハーモニーが美味しさのポイントなのです。

そのときの気分や、他のメニューとの兼ね合いで、肉入りにするか、エビのみの春巻きかを選びますが、
いろいろあると楽しいので、春巻きのバリエーションとして知っておくと便利かも。
普通の春巻きを作るついでに、エビをちょちょいと巻きます。春巻き2種にするといい感じではありません???。
見た目に華やかになるし、ちょっと手間をかけたようにも見える(笑)。
同じ味の春巻きばかり食べずに済むので2種盛りはお勧めです。ちなみに、2種盛りはこんな感じ。
エビ春巻き_f0363883_02063278.jpg
普通の春巻きのほうは、豚肉と春雨、にんじん、ねぎ。味付けはナムプラー+にんにく+パクチーをすりつぶしたもの。
タイの春巻きはにんじんをすり下ろし、玉子をつなぎにし、お肉としっかり混ぜるべきなのですが、
いい加減に混ぜても、オレンジがたくさん見えて色合い的にも綺麗(だと、私は手抜きの言い訳に使ってます。笑)。

夏はアペロの季節です。アペロのおつまみにも揚げ春巻きは喜ばれます。是非、レパートリーにどうぞ!

# by parisbkk | 2016-07-12 04:42 | タイ料理

ひんやり、春雨サラダ

今日はパリでも30℃の真夏日です。こういう日はひんやりサラダが美味しい。
だから、春雨サラダ「ヤムウンセン」。
ひんやり、春雨サラダ_f0363883_02024458.jpg
でも、タイで食べるヤムウンセンは冷たくありません。
冷えてるどころか、食堂では作りたてを出すから、茹麺がからまり、なまぬるいことが普通です。
タイではサラダは冷蔵庫に入れない…ってのが常識なのです。
だからこそ、家で作るヤムウンセンは格別。私好みに冷やしてつるん(笑)。

春雨は中国生まれの食材ですが、アジア各国の料理に欠かせない食材でもある。
中国では「粉条」、台湾では「冬粉」、タイでは「ウンセン」。
日本で「春雨」と呼ばれるようになったのは、その製法が「春の雨が降ってるよう」だから。
伝来したのは鎌倉時代。禅僧が精進料理の食材として使いはじめたのだとか。
そこで浮かぶ素朴な疑問。「では、タイにウンセンが伝来したのはいつ?」。

日本の鎌倉時代はタイのスコータイ時代にあたります。
スコータイ時代は文化が繁栄し、タイ文字が生まれたのもスコータイ時代。
第三王朝のラムカムヘーン王がクメール(カンボジア)文字を参考に考案したのだそうです。
ラムカムヘン王が記したといわれているスコータイ第一碑文には、タイの食事に関する記載があります。
「キン・カーオ(米を食べ)、キン・プラー(魚を食べ)」とあり、スコータイは今も田舎ですが、
田舎ならではの素朴なお食事をイメージさせられます。
私が推測するに、中国生まれのウンセンがタイに伝来したのはアユタヤ時代ではないでしょうか。
アユタヤ王朝時代(1351-1767)は外国貿易が栄え、タイは中国の影響をかなり受けた。
ペルシャからスパイスが輸入されるようになり、マサマンカレーなどもアユタヤ時代に生まれてる。
だから、たぶん、グローバルにインターナショナルに食文化が繁栄したんじゃないかと思うのです。
何の根拠もないけれど、タイごはんの歴史を想いつつ、冷たい春雨いただきます。

# by parisbkk | 2016-07-10 02:30 | タイ料理
昨日でラマダンが終わりました。今日から回教徒は日中に食事ができる!
夏の暑い日にラマダンをする回教徒の方たち、行事が終わってほっとし、今日は美味しく昼食を食べたことでしょう。
そんなことを考えながら、回教徒のお料理を紹介することにしました。カオモックガイです。
回教徒のための料理と言われてますが、仏教徒も大好きな料理の一つで、むろん、私も大好き。
屋台が並ぶフードコートには大抵カオモックガイの店もあり、その存在感は「カオマンガイ」と同じくらいポピュラー。

「カオマンガイ」と「カオモックガイ」の違いを簡単に説明しますと、
「カオマンガイ」はカオ(ごはん)マン(脂)ガイ(鶏)。鶏のうまみたっぷりのブイヨンで煮込んだご飯が美味しい
料理です。「カオモックガイ」はカオ(ごはん)モック(隠れる)ガイ(鶏)。鶏肉をスパイスと一緒に炊き込みにするため、
ご飯のなかに鶏肉(骨付きでなく、切り身になってる場合もある)ひょっこり隠れてる。タイのインド系料理とも言われており、
ターメリックの鮮やかな黄色ごはんが美しい。お肉はハラルであることは言うまでもありません。
他のタイ料理とは全然タイプが違うので、バンコクに住んでいた頃の私は気分転換で、たまに食べる料理でした。
いつも屋台で食べていたので、この料理は一度も作ったことがなく、レシピも知りませんが興味本位に作ってみた。

参考レシピはありません。インターネットで調べてもレシピがあっても「カオモックガイの素」を使ってたり、
ターメリックのみで料理してたり、なんとも味気ないレシピばかり。だったら、自分の経験で十分なヒントになるのでは?
このところターメリックを使った料理を立て続けに作ってるので、なんとなく検討もつく。
こういっては何ですが、タイの回教徒の味には共通点があるんです。
回教徒の料理はターメリック、シナモン、クミン、カルダモン、クローブなど、インド系のスパイスがメイン。
なんとなくで作ってみたけど、初めて作ったカオモックガイは見た目はパーフェクト!
カオモックガイ(回教徒のチキンライス)_f0363883_02522336.jpg

鶏肉は下味をし、一度焼いてから、ごはんとスパイス類とともに炊飯器へ。
インド料理のビリヤニに遠からずなイメージ。でも、味付けはタイの回教徒料理で、ココナツミルクはなし!
鶏肉は非常に美味しく炊きあがっていたけど、問題はごはんの味。スパイスのほか鶏スープで炊いたけど、
一味足りない…。何が足りないの???
通常、鶏肉にはナムチムをつけて食べますが、私は鶏肉にしっかり味をしたので、鶏肉よりもごはんにタレがほしい。
というわけで、激辛の緑のナムチムをどばどばかけてみたところ、ぐぐっと美味しくなりましたv。
このナムチムは、ナムプラーと酢にんにく、青唐辛子、マナオ汁を混ぜたもの。
スパイスはたくさん入ってるけど、ぼんやりした味だったので、パンチをつける唐辛子が必要だったのです。
シンプルな料理だけに、美味しさのカギはタレにあったのです。確かに赤唐辛子の甘いソースだったり、
緑の辛いやつだったり、お店によってタレには大きな違いがあった!
久しく本場のカオモックガイを食べないので、次回タイに行ったら食し、とりわけソースに注目したいと思います。

# by parisbkk | 2016-07-08 03:44 | 屋台の味

チェンマイ・ヌードル

今日の昼ごはん、チェンマイ名物「カオソーイ」。
チェンマイ・ヌードル_f0363883_04391713.jpg


毎度のことながら、私の昼食は冷蔵庫の残りものからメニューが決まります。
今日中に片付けたかったもの。一昨日作ったトゥントーン用に解凍したワンタンの皮と、鶏がらスープ。
ワンタンの皮と鶏ガラスープの消費がなぜカオソーイになるのか???
きっと、潜在的にカオソーイを求めていたのです。ビルマのモヒンガーを作っていた日から…。

モヒンガーを食べながら、ずっと考えていたこと。「この料理、カオソーイに似てない???」
モヒンガーにはココナツミルクは入れませんし、モヒンガーは魚の出汁、カオソーイは鶏の出汁…と違いは明確ですが、
ターメリックをたっぷり使うなど、類似点も多いのです。
改めてカオソーイについて調べると、ウィキペディアでは、こう書いてありました。

「カオソーイ(ラオ語、ເຂົ້າສອຍ, タイ語: ข้าวซอย)は、チェンマイをはじめとするタイ北部と、ルアンプラバーンをはじめとするラオス北部で広く食べられている麺料理。初めミャンマーからラオス北部に伝わり、その後ラオス北部からタイ北部に広がった。」

ビルマ(ミャンマー)から伝わったってことは、原型がビルマの国民食モヒンガーだった可能性も高いわけです。
ビルマ風のターメリックを使ったスパイシーヌードルがタイ風にアレンジされ、ココナツミルクたっぷりのカオソーイになった。
なんだか、面白いー♪(く、ありません???)
ともかく、作ってみたかったから、作る。ワンタンの皮は5ミリくらいに切って揚げ、トッピング用の麺代わりに。
鶏がらスープも捨てずに消費。鶏肉から出汁がでるから水でもいいのですが、スパイスで味付けしたココナツミルクと
鶏モモ肉を煮込んで美味しいカレースープに! 久しぶりに食べたけど、うまーい♪

ちなみにマレーシア半島を南下すると、ココナツミルクを使った別の汁麺があります、「ラクサ」です。
海鮮入りのほんわり(風味の)ココナツスープ麺で、タイよりもマレーシア、シンガポール、インドネシアでポピュラー。
私はスパイシーな料理が好きなので、スパイシーな北軍に軍配をあげますけれど、ラクサもたまに食べると美味しいです
アジアは料理が豊富なので、明日は何食べようかと、今から迷う。ダイエットができないわけだ(笑)。


# by parisbkk | 2016-07-07 04:50 | タイ料理

タイ料理/アジア料理講師、フードクリエーションを手掛けるmotokoの徒然パリ日記。料理の話がメインですが、乳ガン治療中ゆえ、たまにフランスでの治療のお話も。


by motoko
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