カウソーイは「チェンマイヌードル」とも呼ばれ、北タイ名物のカレーヌードルです。
発祥はビルマにあると言われ、ラオスを経由し北タイに広まったので、ラオス風、タイ風がありますが、
タイ風はココナツミルクを加えたカレースープに揚げた麺をトッピングするチェンマイ風が一般的です。
チェンマイのご当地ヌードルであるものの、その人気は全国区。タイ全土で食べられる料理ですが、
外国のタイレストランでは「カウソーイ」をメニューに見ることは少ない。あんまり、やってる店がないんです。
だから、私はカウソーイのレッスンをやるとき、「外国ではなかなか食べれない通なラーメン」と謳っていますが、
○カールにあるなんて!。灯台下暗しだった! 早速、試食のために購入してみた。
鍋で温めるか、レンジでチンするか。レンジだと、たった6分間で出来上がるチェンマイグルメ。
パッケージを外すと、中身はしょぼく、かなりがっかり。
パッケージには「タイ産の鶏肉、食材を使ってタイで作った」と書いてあり、「まず、麺と鶏肉を食べ、最後にスープを飲む」と
食べ方まで伝授してあり、大手冷凍食品チェーンのこだわりも十分に感じられますが、
私には物足りないのは事実です。そこそこに美味しいけど、本場のカウソーイを知ってるからこそ、
商品批判ではなく「相違点」を考えてしまうわけです。
では、どう違うのか???。
まず、麺です。チェンマイのカウソーイはうどん風でなく、ちょっと幅広の中華麺を使います。
しかも、普通に茹でたツルツル麺と、パリパリの揚げた麺の2種を用意し、一つの丼のなかで合体させる技がある。
「なんで、そんなことするのか???」って?。
茹麺と揚げ麺の異なる食感を同時に味わい、さらに、最初はパリパリだった揚げ麺もスープをすって徐々に味が変わる。
その過程も楽しめるからで、「グルメだからこそ、そんなこと(2種の麺を使う)する」としか言えません。
冷凍食品という手前、2種の麺を混ぜるのは難しいです。とかく、パリパリの揚げ麺をスープのなかに存在させることは
ほぼ不可能。パッケージしてても温めてる段階で揚げ麺がベロベロに柔らかくなり、パリパリの食感はなくなっている。
フリットみたいな揚げ物がほんのちょこっと入ってるのが、涙ぐましい企業努力にも思えたりする(苦笑)。
冷凍食品のカウソーイのココナツスープの味付けは美味しいです。
妙なタイレストラン(フランスにはたくさん、ありますね)で食べるよりも美味しいと思った。しかも安い。
しかし、辛味はかなり抑えてあり、フランス人好みに再現してあるのも事実です。フランスで売ってる商品だから、
当然のアレンジと思いますが、カウソーイの醍醐味は味が単調にならぬよう、トッピングに工夫があることです。
本場風に決めたい場合は、ココナツカレースープだけでなく、チリパウダーと油を混ぜたチリオイル、エシャロット、
酸味と食感をもたらす高菜漬け、ライムのトッピングは不可欠で、酸味、辛味、甘味、塩味などが絶妙のバランスで、
美味しいハーモニーを醸し出さねばなりません。それがカウソーイの魅力だからです。
冷凍食品のカウソーイでは、なかなか、そこまで求められない。冷凍食品だから仕方ないけど、寂しすぎるでしょー。
スープの底にトマトが入っていたけれど、それ以外、麺以外の固形物はほとんど入ってないんですから…。
こだわる人は、トッピングを用意しておき、食べる直前に追加すると、冷凍カウソーイは一層美味しくなると
思いますので、是非、お試しを。
でも、本当にこだわる人は「冷凍でなく、自宅で作っていただきたい」です。だって、家で作るカウソーイは
フレッシュです。どーんと揚げ麺も入ってボリュームたっぷり、高菜漬けも生だから、シャキシャキ感が違う!
見た目からして、自家製カウソーイの違いがお分かりいただけるでしょう???
まず、最初に揚げ麺を崩してスープに浸します。それから椀の底に眠る茹で麺と、まだパリパリの状態の
揚げ麺を交互に、または一緒にお楽しみください。そのうち、揚げ麺がしっとりしてきますので、
味にも違いが出てきます。さらに、お好みでチリオイル、ライム汁、お酢などで味を調整し、
高菜やもやしなどの副菜を追加しながら、1杯のカレーラーメンの七変化をお楽しみくださいませー♪
最後のおちは、レッスンの宣伝です(笑)。
パリ2区のアトリエで、12月20日(火曜日)正午からの1時間「カウソーイ」のレッスンをやるからです。
1時間かけ、チェンマイの味を再現したあとは、作った料理はゆっくり試食ランチしてくださいませ。
忘年会をかね、お友達とのお料理レッスン忘年会なんて利用も大歓迎です。でも、飲み物はつきませんのでご持参ください(笑)。
今年最後のタイ料理レッスンです。参加費35€。興味あるかた、連絡くださいませ。