だから、春雨サラダ「ヤムウンセン」。
冷えてるどころか、食堂では作りたてを出すから、茹麺がからまり、なまぬるいことが普通です。
タイではサラダは冷蔵庫に入れない…ってのが常識なのです。
だからこそ、家で作るヤムウンセンは格別。私好みに冷やしてつるん(笑)。
春雨は中国生まれの食材ですが、アジア各国の料理に欠かせない食材でもある。
中国では「粉条」、台湾では「冬粉」、タイでは「ウンセン」。
日本で「春雨」と呼ばれるようになったのは、その製法が「春の雨が降ってるよう」だから。
伝来したのは鎌倉時代。禅僧が精進料理の食材として使いはじめたのだとか。
そこで浮かぶ素朴な疑問。「では、タイにウンセンが伝来したのはいつ?」。
日本の鎌倉時代はタイのスコータイ時代にあたります。
スコータイ時代は文化が繁栄し、タイ文字が生まれたのもスコータイ時代。
第三王朝のラムカムヘーン王がクメール(カンボジア)文字を参考に考案したのだそうです。
ラムカムヘン王が記したといわれているスコータイ第一碑文には、タイの食事に関する記載があります。
「キン・カーオ(米を食べ)、キン・プラー(魚を食べ)」とあり、スコータイは今も田舎ですが、
田舎ならではの素朴なお食事をイメージさせられます。
私が推測するに、中国生まれのウンセンがタイに伝来したのはアユタヤ時代ではないでしょうか。
アユタヤ王朝時代(1351-1767)は外国貿易が栄え、タイは中国の影響をかなり受けた。
ペルシャからスパイスが輸入されるようになり、マサマンカレーなどもアユタヤ時代に生まれてる。
だから、たぶん、グローバルにインターナショナルに食文化が繁栄したんじゃないかと思うのです。
何の根拠もないけれど、タイごはんの歴史を想いつつ、冷たい春雨いただきます。